今週の注目:
✨OpenAI、「io」を完全買収 
✨Anthropic、AIモデル「Claude 4」を発表 
✨GroupX、TikTok Shop販売を加速
 
 
1、OpenAI
OpenAI、「io」を完全買収
OpenAIは、米国時間5月21日に、iPhoneのデザイナーであるジョニー・アイブ氏(Jonathan Paul Ive)のデバイススタートアップ「io」を約64億ドルで買収する計画を発表した。
OpenAIはAppleとiPhoneやSiriとの統合で協力しているが、OpenAIのCFOであるフイヤー氏は、独自の専用デバイスを持つ必要性も感じている。また、AppleのデバイスとAIの連携をもっと進めていきたいとしながらも、エコシステム全体で革新を促進したいと語った。
彼女は、新しいデバイスがOpenAIの技術をより多くのユーザーの手に届け、購読の増加とアタッチ率の促進と期待している。AIの新しい時代を切り開く中で、新しいプラットフォームや基盤が登場し、現在の技術はタッチを中心に考えられているが、人類は見る、聞く、話すことができ、OpenAIのモデルはその点で優れていると述べた。
 
2、General Medicine
ピルパックの創業者、「General Medicine」を立ち上げ
アマゾンにオンライン薬局ピルパック(PillPack)を7年前に売却した創業チームが、医療ケアを「General Medicine」という新しい企業を立ち上げた。
General Medicineはオンラインの医療に関するマーケットプレイスで、ユーザーは特定の医療ニーズに基づいてプロバイダーに接続されたり、症状について誰かとチャットしたりできる。このプラットフォームは、処方箋の入手や専門家の探し方など、さまざまな健康ニーズに対応する。
同社によると、ユーザーは現金や保険で支払い、ほとんどの主要なプロバイダーが受け入れられる。General Medicineは、独自の医療グループ、専門家のネットワーク、および地域のプロバイダー、クリニック、研究所を組み合わせて医療を提供している。
 
3、Claude
Anthropic、AIモデル「Claude 4」を発表
アマゾンの支援を受けるOpenAIのライバルであるAnthropicは、米国時間5月22日にClaude 4を発表した。
世界最高レベルのコーディング能力を持つ「Claude Opus 4」と、日常使用向けの「Claude Sonnet 4」を提供している。両モデルは7時間の連続自動作業、ウェブ検索、ローカルファイルアクセスなど高度な機能を搭載し、人間と区別困難な執筆能力を実現している。
従来のチャットボット開発から複雑タスク処理能力の向上へと方針転換し、コーディング、研究、執筆パートナー機能に特化することで、AI業界の最前線を牽引している。
 
4、ビットコイン
ビットコイン、史上最高値を更新
日本時間5月22日、ビットコインの価格は引き続き上昇し、およそ112,000ドルという新たな高値を記録した。
今回の上昇は複数の要因が重なった結果であり、具体的には中米間の貿易摩擦の緩和、機関投資家によるビットコイン保有の増加、企業によるビットコインの導入率の上昇、そしてムーディーズによる米国国債の信用格付け引き下げが挙げられる。
また、ビットコインが株式市場と異なる動きを見せていることについては、投資家が代替的な価値の保存手段を模索していることが一因であると分析されている。
アメリカにおいては、トランプ大統領および人工知能・暗号資産担当責任者のデービッド・サックス氏(David Sacks)が、暗号資産を支援する政策アジェンダを推進しており、トランプ大統領は8月の議会休会前に暗号資産規制法案に署名する意向を示している。
 
5、Temu
IACCと連携、知的財産の保護と違法商品の撲滅へ
2025年5月21日、eコマースプラットフォーム「Temu」は知的財産保護と模倣品撲滅のため、国際模倣品対策連合のIACCの年次総会で了解覚書を締結し、IACCマーケットプレイス諮問委員会(MAC)に創設メンバーとして加入した。
MACは模倣品対策における新たな基準を確立することを目的としたフォーラム。Temuは他の参加企業、Amazon、eBayといったEコマースプラットフォーム、PayPal、Visaなどの決済プロバイダーおよびApple、Chanelなどのブランドと協力し、知的財産保護に取り込んでいる。
 
6、AI各企業、トランプ氏の相互関税の対応にAIの活用へ
企業は、人工知能(AI)ツールを活用して、世界貿易における関税の変動に対応している。複数のテクノロジー企業が、原材料から製品の輸送先に至るまでのグローバルサプライチェーンを可視化し、これらのサプライチェーンが米国のトランプ政権による相互関税の影響をどのように受けているかを把握するためにAI技術を導入している。
 
Salesforceは新たに「輸入専門AIエージェント」を開発した。このエージェントは、「米国税関システムに登録された全20,000品目の変動をリアルタイムで処理し、それに応じた対策を講じる」ことが可能であり、変化し続ける関税制度への対応を支援する。Salesforceのエリック・ローブ氏( Eric Loeb)は、世界の関税変動のスピードと複雑性があまりに高いため、大多数の企業が手作業で追随することは極めて困難だと指摘している。
トランプ政権による関税リストは数十か国に及び、企業にサプライチェーンや価格戦略の見直しを余儀なくさせるとともに、AI技術分野のさらなる拡張と応用を促進している。
 
7、GroupX
GroupX、TikTok Shop販売を加速
GroupXは海外で成功したコマース経験を日本市場向けにローカライズし、TikTok ShopにEC運営に必要なプロセスを全面支援する。
このEC運営サービスはTikTok Shopの売上アップを目ざし、店舗設立、販売チャネル立ち上げから物流支援などまでワンストップで支援する。
 
8、フューチャーショップ
フューチャーショップ、「BuzzEC」と連携、広告配信を支援
フューチャーショップは5月22日、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」において、これから広告自動運用ツール「BuzzEC」との連携を開始した。
「BuzzEC」は、Google・Facebook・Instagram・LINE・TikTokといった主要広告媒体に対して、複数同時に広告を配信できる自動運用ツール。配信結果を一元管理でき、媒体の運用負荷を軽減できる。このサービスは低予算の顧客に向け、専門的な知識がなくても配信できる。
 
9、トランプ関税
トランプ大統領、EUへの50%関税を延期
2025年5月25日、トランプ大統領は、EUに対する50%の関税の期限を2025年7月9日に延長すると発表した。
トランプ大統領は、欧州委員会のウルブス・フォンデアライエン委員長から、EUに対する50%関税の6月1日期限の延期を求める電話を受け、2025年7月9日までの延長に同意した。フォンデアライエン委員長は、「EUと米国は、世界で最も重要な貿易関係を共有している。」とXで投稿し、「良い合意に達するには」7月9日まで必要だと述べた。
 
10、ChatGPT
OpenAIの「o3」、指示されたシャットダウンを妨害
OpenAIの「o3」モデルが、明示的な指示にもかかわらずシャットダウンを回避したことが報告された。
人類の存亡に関わるAIのリスク「
x-risk」を研究している団体であるPalisade Researchのテストでは、「Codex CLI」が100回中12回、「o3」が7回、「o4-mini」が1回の頻度でシャットダウンスクリプトを改変した。シャットダウンの許可に関する指示なしで実験を行った場合、ClaudeとGeminiもシャットダウンを回避し、o3は100回中79回でシャットダウンしなかった。
Palisade Researchは、o3のこのような振る舞いは、トレーニング時に障害を回避することにより多くの報酬が与えられてしまったためかもしれないと推測している。