商品価格の設定についてセラーは一般的に以下の2点を考慮する必要があります。
 
1、価格と利益の関係
商品の利益は価格によって決定されるが、利益の高い商品は、すぐに大量のセラーが押し寄せて参入し、価格戦に陥る恐れがあります。価格戦とは、商品に競争優位性がなければ(無差別商品)、価格の差別化によって購入者の意思決定(購入の決定)に影響を及ぼすことを指します。
いずれの商品でも、高い参入障壁がない限り、成熟期に入ると粗利率は市場の平均値に近づいていきます。
 
2、価格が供給チェーンに与える影響
小さいセラー、あるいはある新しいカテゴリーに入りたいセラーに対して、テスト販売の段階でもし商品の価格が高くなってしまうならば、セラーにとって生産コストが高いことを意味します。また、商品が売れなければ、在庫の保管コストも高くなります。
 
しかし、価格が商品を購入する段階に及ぼす影響は、より深いロジックがあります。
まず、価格帯は、カスタマーが衝動的に消費するか、理性的に消費するかに影響します。例えば、30ドル以下の商品は、衝動的に購入する可能性が非常に高です。衝動で購入するかどうかで販売機会の大きさが決まります。そうでない場合には、カスタマーは商品ページを5 ~ 10ページを閲覧して、商品の機能や評価コメント、googleの情報などを参照してから購入するか決めます。
 
また、販売の機会の有無(カテゴリーナビゲーション+検索結果ページの位置)が衝動買いより1 ~ 3倍大きいことがわかっています。また他の説得戦略(SNSマーケティング、ブランド・マーケティング)がカスタマーにも影響を与えています。
 
実際の例を見ましょう。「iphone 7 case」は、基本的に(検索やカテゴリーナビ)トップ50(少数のセラー)が販売数の70%以上を占めており、この市場に参入するためには、100万人民元の広告費用がないと参入は難しいです。各地の携帯電話市場のように、トラフィック(アクセス、セッション)は基本的に各セラーに均等に分布していて、どんな小さなコーナーでも販売のチャンスがありますが、アマゾンのトラフィックは非常に集中しています。
 
また、同じカテゴリーの商品について、価格帯は購買の意思決定に影響を及ぼしません。価格帯はターゲットのカスタマー階層を決定しています。同じiphone 7のケースでも、9-20ドルのカスタマー群と40-80ドルのカスタマー群は異なっています。後者は品質追求者であり、この部分のカスタマーの割合は非常に小さいです。
 
したがって、価格に基づいて商品を選ぶ際には、商品全体の平均価格を計算するのではなく、その商品の価格を区間別に分けて、各区間の商品数(競争度)を見たほうがいいです。
 
売れ筋の商品を作る、或いは市場シェアを上げたいならば、一般的な消費層をターゲットにしましょう。それは庶民的な値段であることを意味します。日常的な例をあげると、普及度の高い国際チェーン店は、海外の高級ブランドではなく、ケンタッキーフライドチキンやスターバックスのような店です。
 
商品の定価は消費者の予想に基づくべきです。一般的に、情報の非対称性で商品の定価は比較的に高いです。例えば、掃除ロボットが出てきた時に、ほとんどの人はそれの製造コストを知らないです。また、他人に自慢できる消費もコストや価格競争ではなくて、主に消費者に基づいています。例えばギフト商品とかです。